荒木の鉢上げについて
平成10年3月29日
さつきの荒木を鉢上げする好適期は、その地域で
「桜の花が咲き始める頃」と言われています。その時期は、
春に向かって新芽が動き始める時期とほぼ一致しています。鉢上げ、植え替えなどの作業は
根や枝を傷める可能性が高いため、植物が冬眠から覚めて動きはじめる直前に実施し、その
後の樹勢回復を図ることが最も効果的です。
今回の講習は培養中の荒木をサンプルにして、模様木としての仕立てと植え込みがテーマです。
素材となる木は上のようなもので、今まで畑で肥培されていたものです。
きようは、この荒木を枝抜きし、整姿、根洗いの上、
素焼き鉢に植え込むまでのコースです。
正面が決まったら、いよいよ整枝に入ります。
この木は、幹にすなおな「曲」がついているので、
その曲を利用して模様木に仕立てます。
左・右・奥のバランスを考えながら不要な枝を落とし、
必要な枝には針金をかけて行きます。
不要な枝を整理するに当たっては、形にこだわることも大切ですが、
花が咲いた時のことも考えながら行うことが必要です。
さつきには1本の木に多種類の花が咲く、いわゆる「咲き分け」が多いので、
形のバランスとともに、花が咲いた時の花色のバランスも大切な要素になります。
盆栽の素材として販売されている養成木には、花色を示すマークが枝に
付けられていることがあるので、剪定にかかる前によく観察しましょう。
本日の素材は「葵の光」という種類で、やはり「咲き分け」するグループですが、
白い花が咲く枝には「白いアルミの針金」をリング状に巻いた「白花表示」が
ありました。
整枝が一通り終ったら根洗いに入ります。この木の場合は、
畑で培養されていたものですが用土には鹿沼土が使われており、
根洗いは割合簡単に終りました。
しかし、自然木を鉢上げする場合には、根と土が絡み合い、
土を落とすのに大変手間取ることがあります。
いずれの場合でも、古い土はすべて落とし、新しい土(鹿沼土)
を使って植え込むのが一般的です。
最終的な植え込みの位置を決めます。素焼きの鉢(養成のため)
であっても、位置は慎重に決めましょう。
盆栽と言うには程遠いのですが、これで模様木としての将来は
決定したも同然ですね。
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