秋の陽が西に傾き、鉢植えの酔芙蓉が赤く色づき始めるころ、坂の街越中八尾にはあちこちから胡弓の音がびびき始めます。 一年中でこの三日間、富山平野の南端に位置する山間の小さな街は、街中が水面を漂う水草のような人の動きに埋め尽くされます。 越中八尾は、井田川の川岸、急峻な崖の上に東北から南西に向けて細長く発達した街。中央のメーンストリートを挟んで 小路が入り組んでおり、暗くなって到着された方は「おわら」を鑑賞する場所を決めるのに右往左往するほど、今夜の舞台は極めて広く複雑です。