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今回はちょっと大掛かりな展示にトライしてみました。いわく「さつきの挿し芽半世紀」。
昨年は不摂生から短期入院を余儀なくされ、そのせいで春先の殺菌剤散布のタイミングを失し前回の花期展示会は散々でした。今年はそのリベンジという
わけではありませんが、長く暖めてきたテーマ「さつきの挿し芽半世紀」を公開することを決め、昨年後半から準備にとりかかりました。
主木は挿し芽50年を過ぎた「品種不明樹」。向って右には42年を経過した「金杯」。同左には挿し芽37年の模様木「光琳」、同じく石付きで平鉢に入れた
「晃山の光」、さらに半懸崖に仕立てた「朱光の月」の3本を高低差を付けて配置しました。
さらに主木の直近右側には挿し芽13年目の「高豊の光」、この木は当ホームページで紹介している木で、今も成長の様子をアップロードし続けている挿し芽の
サンプルです。それに3歳苗を3鉢、さらに去年の挿し芽から花芽のついたもの3本を小鉢に入れて中央近くに配置しました。
以上でさつきの鉢は12鉢、最後の一鉢はテーマを書いて吊り下げた掛け軸の真正面に置いた「苔の鉢」、これで合計13鉢になります。それぞれの鉢の
足元には、差し芽をした当時の社会情勢やビッグイベントを印刷した短冊を置き、見る人の記憶との一致を図りました。
短冊の内容を一部紹介すれば・・・、
50年前 「皇太子(現天皇)、正田美智子さんとご結婚」
「伊勢湾台風の襲来」
42年前 「吉田首相の国葬」
「小笠原諸島の返還」
37年前 「連合赤軍浅間山荘事件」
「グアムで横井さん救出」 など。
でも、この短冊をどれだけの人が読んでくれたか、はなはだ疑問が残ります。
盆栽のベテランによれば「盆栽展に言葉は要らない」。「盆栽の前に立った人に何かを感じ取ってもらうことが
できるかどうかが勝負だ」。
この言葉は私にとって非常に重い意味を持ちます。盆栽だけで勝負できる日を夢見ながら、それまでの「ツナギ」として、
ここしばらくは「言葉」の助けを借りてベテランの鉢の横でアスナロの気持を味わうことになりそうです。
石川県の県木は档(アテ・アスナロ・翌檜)です。
「明日はヒノキになろう、明日はヒノキになろう・・・」と思い続ける
档(アテ・アスナロ・翌檜)も、今では立派な石川県の県木として認知されるようになりました。
不出来な盆栽でも、適切な言葉の力を借りて何とか独自のジャンルを打ち立てたい、と言うのが後期高齢化の対象に
足を踏み込もうとしている老盆栽子の悲願です。
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